多世界解釈

多世界解釈

20世紀に入ると、アメリカの数学者フォン・ノイマンは量子論で言われている、物質を観測すると物質波が収縮するという現象の発生が、数学的に導けないことを証明しました。

そしてアメリカの大学院生であったエベレットは、量子論が自然の原理であるとすれば、その原理はミクロの世界だけでなく、ミクロの物質で構成される宇宙全体にさえ適用されるはずだとして、宇宙の歴史に量子論を適用し、何もない真空から光子などの微粒子が生まれた宇宙と、微粒子が生まれなかった宇宙に枝分かれすると考え、可能性の数だけ枝分かれを繰り返した宇宙のうちの一つが私たちのいる現在の宇宙であるというパラレルワールド論を発表しました。

そしてこのパラレルワールド論を一般化させて、量子論が描く世界像を理解しようとする説が多世界解釈です。

それまでの量子論では、観測される前の電子の位置について様々な場所にいる状態が重なっていると考えましたが、多世界解釈では観測する前の電子はどこか一カ所だけにいると考え、その代わりに知らないうちに世界が複数に枝分かれしていると考えます。

つまり一個の電子がそれぞれの場所にいる状態が重なっているのではなく、電子がそれぞれの場所にいる世界が重なって同時進行し、また観測者自身もそれぞれの世界に枝分かれして存在しているというのです。

波の収縮という仮定を持ち込むコペンハーゲン解釈に比べると、多世界解釈は量子論の知識や論理を用いてミクロの世界を描こうとした場合に、一番理解しやすくイメージや直観も働きやすいものの、否定はできないが肯定する証拠もなく、多世界解釈をとる学者は少数派にとどまっているようです。

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