量子論のポイントを分かりやすく解説
電子ビームを発射する電子銃を、電子が当たると光る蛍光物質が塗ってあるスクリーンに向け、電子銃とスクリーンの間に二つのスリットをあけた板を置き、電子銃から電子ビームを発射すると、スクリーンには明暗の模様の干渉縞ができます。これは電子が波のようにダブルスリットを通過してスクリーンに届いたためと考えられます。
次に、一個の電子を発射してスクリーンに届いてから、次の電子を一個ずつ発射するという実験をすると、同様にスクリーンに干渉縞ができます。一個ずつしか電子を飛ばしていない状態で、二つの波が重なった時に現れる干渉が観測されたことから、電子が左右両方のスリットを通過した電子同士が干渉したと考えられ、一個の電子が左右両方のスリットを通ったと考えられました。
この一個の電子が本当に左右両方のスリットを同時に通ったのかを確かめるために、アメリカの物理学者であるファインマンが、スリットの裏側に観測器を設置し、観測器から光を出し、電子が通れば電子と光が衝突して光が散乱し電子の位置が分かるという思考実験を行いました。
この思考実験で、電子はどちらか一方のスリットしか通らないという結論になりましたが、それと同時にこの実験を行うと、観測器から出る光子が電子に衝突するために電子自体の運動が乱され、スクリーンには干渉縞が現れないという結論になりました。
つまり、電子がスリットのどこを通るか見ようとして光子を当てた瞬間に、電子の波が収縮してしまい、ミクロの世界において観測という行為が観測の対象物に影響を与えてしまうことを示しました。
最終更新日:2008/07/20